論文試験のおすすめ対策参考書(公務員試験)

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公務員試験では多くの場合、教養試験専門試験論文試験が課されます。
ここでは、そのうちの論文試験について、おすすめ参考書を紹介します。


はじめに論文試験についての説明を少しした後、おすすめの参考書を紹介するという流れになります。


おすすめの参考書だけ分かればよいという方は、こちら(論文試験の説明を飛ばします)へ。

公務員試験における教養論文の書き方について解説

東京都の試験対策(教養論文試験編)


論文試験について

論文試験の文字数

論文試験には、400字程度で書くことを求められるもの、800字程度で書くことを求められるもの、1200字以上で書くことを求められるものがあります。


これらの字数の違いは、おおむね自治体の規模に比例するといってよいです。
例えば、400字程度の場合は、小規模な市役所・町村役場や準公務員など、800字程度の場合は、中核市など中規模の市役所、1200字以上の場合は、都道府県庁や政令市などの地方上級といった具合です。

論文試験の特殊性

ここでは何冊かの参考書を紹介しますが、基本的にどれか1冊をやり込めば良いというものではありません。
なぜならば、論文試験には、他の教養科目や専門科目とは決定的に異なる点があるからです。


論文試験の場合、教養試験や専門試験と違い、明確な正答というものがありません。
また、専門記述試験とも異なり、必ず入っているべきキーワードというものもありません。
そのため、参考書の中で示される解答例は、あくまでも解答””にすぎないのです。


これはつまり、書き手によって様々な書き方があるということであり、他の科目と違い著者の主観の入り込む余地が大いにあります。
したがって、参考書によっては思想的に偏っている、あるいは知識が偏っているということが起こり得ます


ですから、そういった偏りをなくすために論文試験の参考書については、どれか1冊だけではなく複数の本に目を通すことをおすすめします。

論文試験対策の必要性

論文試験については、特に何も対策をしていないという受験生も多いのではないかと思います。
小規模な自治体を受験する場合は、それでもどうにかなると言えるでしょう。
少ない字数の論文試験では書けることが限られており差が付きにくいからです。
しかし、字数の多い論文試験が課される地方上級職員試験の場合であれば、差が出やすくなります。


択一試験で良い点数が取れていたのに、論文試験の出来が悪かったために合格に至らなかった、なんていう事態は避けたいところです。
論文試験についても他の筆記試験同様、参考書を活用してしっかりと対策を行ってく必要があります


それでは以下に、おすすめの参考書を紹介していきます。

おすすめの参考書

他の公務員試験参考書の著者の多くがそうであるように、ここで紹介する参考書の著者も公務員経験のない方ばかりです。資格試験や公務員試験受験生の指導者としての経験があるだけです。


他の科目では、それでも問題ないと言えますが、論文試験の参考書の著者の場合、公務員の経験がないというのは多少問題があると言えます。
なぜならば、示される模範解答例が、行政的な視点の欠けた一般論に終始してしまうことになりがちだからです。


そういったこともあるので、前節で述べたように、ここで紹介する参考書については基本的に何冊かの本を併用することをおすすめします。

寺本康之の小論文バイブル

公務員試験予備校の有名講師である寺本康之による論文の書き方指南の本。
多くの答案例が示されているほか、合格レベルの答案を書くためのなコツなど実践的な内容が詰まっており、おすすめです。



公務員 論文試験の秘伝

本書では、25のテーマについて出題傾向、出題意図、対策のポイント、必要なキーワード等がまとめられており、テーマごとに著者と受講生の対話形式でブレインストーミングが行われる構成となっています。


必要なことが一通り網羅されていておすすめの本です。



都庁OBが教える、都庁論文試験の本質

こちらは、都庁志望者を対象とした論文試験の参考書となります。


なお、こちらの本は、AmazonのKindle Unlimited初回30日無料体験を利用することにより無料で読むことができます。



公務員試験 無敵の論文メソッド

本書では、模範解答を示すことに主眼を置いていません。本書でいうところのガッカリ解答を例に挙げて、そうしたガッカリ解答を書かないためには、どういった思考を行うべきかということを解説しています。


成功例ではなく、失敗例から学ぶという点で、他の参考書とは全く異なったアプローチをとっていると言えます。
成功例(模範解答)を試験本番で再現することは難しいですが、失敗例を本番で再現しないようにすることは難しくありません。


思考の仕方の根本を見直すという意味では、本書を読んでおいて損はないと思います。
ただし、本書に加えて他の参考書を併用することをおすすめします。



論文試験 頻出テーマのまとめ方

本書は、一般的な論文の書き方を学ぶにはいいかもしれませんが、公務員試験の論文対策参考書としては疑問符のつく場面が多いです。


肝心の模範解答例が、著者の思想的偏りが反映されているのではないかと思える点が多々見られからです。
この模範解答例を鵜呑みにすることは避けた方が良いでしょう。


こうした考え方もあるのか、というような視点で俯瞰してみることができるのであれば、本書を手にしてみるのもいいかもしれません。
はっきりと言ってしまえば、ガッカリ解答として反面教師にはできるということです。


本書の場合は特に、他の参考書と併用することをおすすめします。



最後に

論文試験の対策には、出題が予想されるテーマについて模範解答例に目を通したり、論文の形式的な書き方について学んだりするほかにも、やっておくべきことがあります。
それは、あなたの受験予定の自治体の政策について、十分調にべて把握しておく、ということです。


論文試験では、「××について、○○市の職員としてどのように取り組むべきか」といった出題のされ方をする場合が多いです。
その自治体の政策を十分把握していないと、一般論に終始してしまい、訴求力の弱い答案となってしまいます。


自治体の政策についてしっかりと対策をしておけば、その政策を踏まえた論を展開することができ、対策を怠った受験生に大きく差をつけることができます。


ですので、受験予定の自治体の「総合計画」や「長期ビジョン」、「総合戦略」といったものに目を通し、十分把握しておくようにしましょう。
これは、論文試験の対策になるだけではなく、その後にある、面接試験の対策にもなります。