私は、公務員試験の受験生当時、地方上級職試験の併願先として国税専門官の試験も受けました。
国税専門官は、国家公務員専門職と呼ばれる専門職の1つで、専門職には他にさまざまなもがあります。
ここでは、国家専門職にはどのような職種があるのかについて紹介します。
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専門職とは?
国家公務員における専門職とは、特定の行政分野に係る専門的な知識を必要とする事務をその職務とする職員のことを言います。
また、専門職の職員を採用する試験は、国家総合職や国家一般職の試験と異なり、専門職の職種ごとに個別の試験が実施されます。
専門職に分類される職種(大卒程度)は以下の通りです。
職種 | 主な職務内容 |
---|---|
皇宮護衛官 | 天皇皇后両陛下や皇族各殿下の護衛と皇居、御所等の警備に従事 |
法務省専門職員 | 矯正心理専門職や法務教官として、非行を犯した少年や刑事施設に収容されている受刑者を対象とした職務に従事、または、保護観察官として、犯罪をした人や非行のある少年の再犯・再非行を防ぎ改善更生を図るための業務に従事 |
財務専門官 | 国有財産の有効活用、財政投融資資金の供給、予算執行調査といった財政に関する業務や、地域金融機関の検査・監督、証券取引等の監視、企業内容等の開示といった金融に関する業務に従事 |
国税専門官 | 適正な課税を維持し、また租税収入を確保するため、適正な納税申告が行われているかどうかの調査・検査を行うとともに、申告や納税に関する指導などの業務に従事 |
食品衛生監視員 | 輸入食品の安全監視及び指導(輸入食品監視業務)、輸入食品等に係る理化学的、微生物学的試験検査(試験検査業務)、検疫感染症の国内への侵入防止(検疫衛生業務)の業務に従事 |
労働基準監督官 | 労働基準法、労働安全衛生法などに基づいて、工場、事業場などに立ち入り、事業主に法に定める基準を遵守させることにより、労働条件の確保・向上、労働者の安全や健康の確保を図り、労働災害にあわれた方に対する労災補償の業務に従事 |
航空管制官 | 航空機に対し、無線電話・レーダーなどにより、離着陸及び航行の安全に必要な指示を与え、また、情報の提供を行うなどの航空交通管制業務に従事 |
外務省専門職員 | 高い語学能力を基に、関連する地域の社会、文化、歴史等に通じた地域の専門家として従事、もしくは、語学と専門知識を用いて経済、安保、国連、経済協力、条約等様々な分野の専門家として従事 |
防衛省専門職員 | 事務官・教官として、国際的な業務に関する企画・立案、在日米軍等との折衝、会議での通訳、海外資料の翻訳、自衛官等に対する語学教育、装備品の輸入に係る業務等に従事、もしくは、事務官として、国際関係、地域情勢(政治、経済、外交、文化、民族問題、最新技術等)、軍事情勢に関する情報の収集・分析等の業務に従事 |
※各専門職試験について、さらに詳しい情報が必要な場合には、国家公務員試験採用情報NAVIの職員採用情報ページ、外務省の職員採用情報ページ、防衛省の職員採用情報ページへ
併願先としての国家専門職
ここまで見てきたように、さまざまな専門職がありますが、一般行政職志望者の併願先となりうるのは、全ての専門職ではなく、一部の限られた専門職となります。
併願可能な国家専門職
国家専門職の中で、一般行政職志望者が併願先として選択できるのは、財務専門官か国税専門官、労働基準監督官に限られると考えられます。
その理由は2つあります。
1つは、一般行政職の試験対策で十分対策可能なのが、上記の3職種だからです。
財務専門官や国税専門官、労働基準監督官の採用試験で課される科目は、国家一般職や地方上級の試験科目とほぼ同じ(会計学や労働法など一部例外はあります)です。
そのため、併願先として十分視野に入れることができる、という訳です。
併願先として選択可能なもう1つの理由は、志望動機の面で、無理のない職種だということです。
ここで、無理がないとは、一般行政職と、仕事の内容が大きく異ならないことを指します。
他の、「皇宮専門官」や「法務省専門職員」、「食品衛生監視員」、「航空管制官」などは、仕事の内容が極めて特殊であり、併願先として考えるには、志望動機の面などから無理があると言えます。