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平成16年度

教養試験

※No.4~No.11については、著作権の問題により非掲載

No.1

現代社会においては疾病や自然災害のほか,科学技術の進歩に伴う様々な弊害などが予想されるが,それらの対策に関する次の記述のうち,最も妥当なのはどれか。

 1 平成14年暮れから翌年春にかけて,新型肺炎(SARS)が中国やカナダを中心に流行したが,の病原体であるコロナウイルスに有効な抗生物質が世界保健機関(WHO)によって開発されたため,流行は我が国や東南アジアに広がることなく終息した。

 2 健康に及ぼす喫煙の害については以前から指摘されているが,他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙を防止するために,我が国では平成15年春,学校,官公庁,飲食店等の施設に対し,従来の分煙から一歩進めて禁煙タイムの導入を義務付ける健康増進法が施行された。

 3 発がん性が指摘される粒子状物質や呼吸器系疾患の原因とされる窒素酸化物を減らすため,我が国では全国的なディーゼル車の排ガス規制が平成17年から予定されているが,環境省では,燃料の軽油に含まれる硫黄分の削減を含めたさらに厳しい規制を行う方向で検討を進めている。

 4 我が国では地震が多く,その対策が重要であるが,平成7年に起こった阪神・淡路大震災の教訓により建造物の強化を十分に行った結果,平成15年5月の三陸南地震では,新幹線等の高架橋に一切の損害は生じなかった。

 5 原子力発電所の臨界事故による運転停止に加え,二酸化炭素排出削減のために火力発電所の運転を縮小したことから,平成15年夏には,関東地方比おいて電力供給不足による停電が懸念されたが,他の地域からの電力融通により切り抜けられた。


専門試験

No.1

次の事例に関するア~オの記述のうち,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

 甲は数個の不動産を所有していたが,昭和57年頃から意思能力を喪失した状態にあった。甲の長男乙は,昭和60年1月から61年4月までの間に,甲を無権代理してYらと根抵当権設定契約を締結し,甲所有の不動産上に根抵当権を設定した。昭和61年9月,乙が死亡し,その相続人である乙の妻丙及び子Xは限定承認をした。
 甲は,昭和62年5月に禁治産宣告を受け,丙が後見人に就任した。同年7月,丙が甲の法定代理人として,Yらに対して本件登記の抹消を求める訴えを提起したが,一審係属中の昭和63年10月,甲が死亡し,Xが代襲相続により本件不動産を取得するとともに,訴訟を承継した。

ア.禁治産者制度は,近年の民法改正により,成年後見人制度に変更された。成年後見人制度とは,精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある成年者に対し,裁判所の後見開始の審判により後見人を選任する制度をいうが,選任された成年後見人は,財産に関する法律行為につき成年被後見人を代理する権限を有する。

イ.限定承認とは,相続人が,相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して承認をすることであるが,相続人が数人いるときは,各相続人は個別に限定承認をすることができる。

ウ.本件においてXが甲より先に死亡していた場合には,Xの子丁が本件不動産の代襲相続権を有する。

エ.本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には,その後に無権代理人が本人を相続したとしても無権代理行為が有効になるものではないとするのが判例である。

オ.無権代理人が本人を相続した場合,相続により本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じるから,本人が無権代理行為の追認を拒絶した後に無権代理人が本人を組続したときの法的効果は,本人が拒絶する前に無権代理人が本人を相続したときと何ら異なるものではないとするのが判例である.

 1 ア,イ,オ
 2 ア,ウ,エ
 3 ア,エ,オ
 4 イ,ウ,エ
 5 イ,ウ,オ