このページでは、2017年3月中に起きた主な出来事についてまとめています。
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政治
サウジアラビアのサルマン国王が46年ぶりの訪日(3月12日)
3月12日から15日まで、サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア王国国王が、46年ぶりのの訪日(国王即位後としては初)を行いました。
サルマン国王は滞在中、安倍晋三内閣総理大臣との会談後、晩餐会へ招かれたほか、天皇陛下からは御所での昼食に招かれました。
なお、安倍総理との首脳会談では、以下の協力覚書が交わされました。
- 第4次産業革命に関する日本国経済産業省及びサウジアラビア王国キングアブドルアジーズ科学技術都市との間の協力覚書
- 日・サウジ・ビジョン2030の実施に関する協力覚書
- 日本国外務省とサウジアラビア王国文化・情報省との間の文化交流分野における「サウジアラビア・日本・ビジョン2030」実施に関する協力プログラム
- 日本国政府とサウジアラビア王国政府との間の両国国民に対する訪問査証の発給の円滑化に関する協力覚書
参考:サルマン・サウジアラビア王国国王陛下の訪日(平成29年3月12日~15日)(外務省)
日・サウジアラビア首脳会談(外務省)
ご昼餐(サウジアラビア国王陛下「公式実務訪問賓客」)(御所)(宮内庁)
署名文書リスト(外務省)
平成29年度予算成立(3月27日)
この日の参議院本会議で、平成29年度予算案が自民、公明両党などの賛成多数で政府案どおり可決・成立しました。一般会計の歳出規模は97兆4,547億円となり、5年連続で過去最大を更新していますが、これは高齢化による医療や介護などに使う社会保障費が増え続けていることが主な要因です。
なお、平成29年度予算の主な特徴は以下のとおりです。
- 働き方改革の推進
- 雇⽤保険料の軽減
- 返還不要の給付型奨学金制度
- 保育士の処遇改善
参考:平成29年度予算(財務省)
平成29年3月27日 平成29年度予算についての会見(首相官邸)
経済
企業の経常利益と利益剰余金(内部留保)が過去最高(3月1日)
財務省が行っている企業統計調査について、四半期別調査(平成28年10~12月)の結果が公表されました。調査の結果、経常利益が過去最高の20兆7,579億円となったほか、企業の利益剰余金(内部留保)についても、過去最高の375兆1,280億円となったことが明らかとなりました。
参考:四半期別法人企業統計調査 概要 -平成28年10~12月期-(金融業、保険業を除く)(財務省)
完全失業率2.8%(3月31日)
総務省は平成29年(2017年)2月分の労働力調査の結果について、完全失業率が2.8%であり、前月比0.2ポイントの低下であると発表しました。これは、平成6年(1994年)8月以来、22年8カ月ぶりの低水準とのことです。
なお、就業者数(6,427万人)と雇用者数(5,754万人)については、ともに50ヶ月連続の増加(就業者数:前年同月比51万人増、雇用者数:前年同月比48万人増)となっており、完全失業者数(188万人)については、81か月連続での減少(前年同月比25万人減)とのことです。
参考:労働力調査(基本集計) 平成29年(2017年)2月分結果の概要(総務省統計局)
完全失業率(季節調整値)等の長期時系列データ(総務省統計局)
社会
政府が残業規制「月100時間未満」を正式決定(3月28日)
政府はこの日、働き方改革実現会議を首相官邸で開き、「働き方改革実行計画」が決定されました。
実行計画では、罰則付きの時間外労働の上限規制が設けられており、単月での残業時間を100時間未満とすることが明記されています。
時間外労働の上限規制の詳細は、以下の通りです。
- 原則
- 月45時間、かつ、年360時間
- 特例(労使が合意して労使協定を結ぶ場合)
- 年720時間
- 年720時間以内において、繁忙期の場合でも上回ることのできない上限(下記の3条件全て)
- 2か月~6か月の各平均について、いずれにおいても休日労働を含んで80時間以内
- 単月では、休日労働を含んで100時間未満
- 特例の適用は、年6回が上限
参考:働き方改革実行計画(首相官邸)
iPS細胞で世界初の「他家移植」手術(3月28日)
iPS細胞を使って、重い目の病気の患者を治療する他家移植と呼ばれるタイプの世界初の手術を、理化学研究所などのチームが28日に実施したと発表しました。
今回の他家移植による治療が成功すれば、患者自身のiPS細胞を使った場合(自家移植)に比べて、準備期間や治療コストを数分の1に抑えられるため、将来の再生医療の普及につながると期待されています。
ふるさと納税の返礼品、上限は寄付額の3割まで(3月31日)
この日、高市総務大臣は、ふるさと納税の返礼品について、寄付額の3割以下とするよう、4月1日付けで全国の地方自治体へ通知すると発表しました。
通知の主なポイントは以下のとおりです。
- 「寄附額に対し返礼割合の高い返礼品」について、少なくとも3割を超える返礼割合の返礼品については、速やかに3割以下とすること
- 「金銭類似性の高いもの」や「資産性の高いもの」について例示を追加するとともに、これらについて、換金の困難性や地域への経済効果の如何等にかかわらず送付しないこと
参考:高市総務大臣閣議後記者会見の概要(平成29年3月31日)
国際
スウェーデンで徴兵制復活(3月2日)
スウェーデン政府はこの日、2010年に廃止していた徴兵制を復活させると発表しました。2018年1月から18歳の男女全員を対象に毎年、少なくとも4,000人を兵役に就かせるといいます。
スウェーデンでは、男子の徴兵制が1901年から100年以上続いていましたが、現代の軍隊におけるニーズに徴兵制は不適切として2010年に廃止されていました。
韓国の朴槿恵大統領が弾劾裁判により罷免(3月10日)
大韓民国憲法裁判所はこの日、崔順実ゲート事件などのスキャンダルにより、韓国国会から弾劾訴追されていた韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に対して、裁判官8名全員一致による弾劾の審判を下しました。
これにより、朴大統領はその職を失うこととなりますが、韓国で弾劾訴追によって大統領が罷免されるのは初のことであり、1987年の民主化以降、任期を全うできなかった初の大統領となります。
韓国の検察が朴槿恵前大統領を逮捕(3月31日)
韓国のソウル中央地裁は31日、検察が請求していた朴槿恵(パク・クネ)前大統領の逮捕状について、証拠隠滅の恐れがあるとして発付することを決定しました。
朴槿恵前大統領は特定犯罪加重処罰法上の収賄や職権乱用権利行使妨害、強要、公務上の秘密漏えいなど13件の容疑が持たれています。
朴槿恵前大統領が逮捕されたことにより、韓国で逮捕された大統領経験者は3人となりました。