教養試験

NO.1

政府が実施したデフレ対策のうち,2002年10月に政府が発表した「改革加速のための「総合対応策」及び「金融再生プログラム」は,両者を合わせて一般には「総合デフレ対策」と呼ばれているがこれに関する次の記述のうち,最も妥当なのはどれか。

1. 「改革加速のための総合対応策」を策定した経済財政諮問会議は,2001年に総務省に設置された機関で,予算編成の基本方針の策定のほか景気対策や経済計画の策定も担当している。日本銀行総裁を議長とし学識経験者をメンバーとする同会議は,首相の諮問を受けて審議を行い,その結果を首相に答申することとされている。
 
2. 総合デフレ対策では,不良債権処理の加速策や企業再生への早期対応を内容とする「金融・産業の再生」,税制改革や不動産市場の活性化等を内容とする「経済活性化に向けた構造改革加速策」,雇用・中小企業対策を始めとする「セーフティーネットの拡充」のほか,緩やかなインフレを目指す「インフレ・ターゲットの設定」が柱となっている。
 
3. 総合デフレ対策の一つの柱である「金融・産業の再生」では,整理回収機構(RCC)を一層活用することのほか,産業の再生のため,再生可能と判断した企業の債権を適正な価格で買い取り,企業再生の財政的・人的支援を行うための産業再生機構の創設がうたわれている。

4. 税制改革に関しては,研究開発やIT投資に対する減税,住宅資産を含む高齢者の保有する資産の次世代への移転の円滑化のための相続税・贈与税の一体化,住宅取得に係る贈与税の特例の拡大等に加えて,これらの財源を確保するための消費税率引上げの必要性についても言及している。

5. セーフティーネットの拡充に関しては,産業再編の促進等の結果,離職を余儀なくされる労働者の増加が避けられないことから有料職業紹介事業に係る手数料規制の緩和を図るよう措置することが求められたが,労働者派遣事業については,低賃金化を促進しデフレを促進する懸念があることから,その対象業務の拡大や派遣期間の延長については見送られることとなった。


NO.2

科学技術の普及とそれに伴う社会的影響に関する次の記述ア~エの正誤の組合せとして妥当なのはどれか。

 ア.海外では遺伝子組み換え技術を用いた品種改良等により害虫抵抗性を持つトウモロコシなどの遺伝子組み換え作物の開発・生産が行わわていることから,我が国でもこれらの作物を原料とする食品について「遺伝子組み換え作物使用の有無」に関する表示を義務付けるか否かの議論が各方面でなされているが,いまだに法制化されるには至っていない。
  
 イ.2002年に内部告発から表面化した原子力発電所における自主点検データ改ざん等の「トラブル隠しの問題」は,安全上問題がない損傷であれば発電所の運転を認める「原子力発電所の維持基準」の導入,内部告発をした従業員などの保護,夏の首都圏における電力不足対策等,様々な問題を提起した。

 ウ.人工的な化学物質で,ごく微量でも種々のホルモンの分泌異常を起こし正常な代謝機能を攪乱したり生殖機能を破壊したりするなど深刻な症状を起こすもののことを,我が国では一般に「環境ホルモン」と呼んでいる。ゴミ焼却施設周辺等の環境汚染で問題となったダイオキシンもその一つで,既に廃棄物処理施設や工場からのダイオキシン濃度の排出規制等が行われている。

 工.行政運営への電子情報技術の活用の一環として2002年にすべての自治体の参加の下に「住民基本台帳ネットワークシステム」の運用が開始され,これにより住民は居住地以外の自治体でも住民票の写しを取れたり,各種手続きにおいて住民票提示の必要性がなくなるなどの新しい行政サービスを受けることが可能となったほか,各自治体は住民基本台帳に記載されたすべての個人情報を他の行政目的にも活用することが可能となった。

  ア  イ  ウ  エ
1. 正  正  誤  誤
2. 正  誤  正  誤
3. 誤  誤  正  正
4. 誤  正  正  誤
5. 誤  正  誤  正


NO.3

我が国の教育問題に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.公立の小・中学校では,従来は,住む地域によって入学する学校が指定される学区制が採られていたが,教育の規制緩和の流れを受け,1990年代後半には大部分の自治体において,生徒が市区町村の学校の中で,自分の希望する学校を選択できる学校選択制が導入された。

2.公立の小・中・高等学校の校長は,従来は教員免許状を有しかつ一定年数以上の経歴があることが資格要件とされていたが,法律の改正により教員免許状のみが資格要件とされるようになったため比較的若い年齢層の校長が全国で多数任用されるようになった。

3.中央教育審議会は,2002年に教育基本法の見直しに関して最終答申を行ったが,答申の中で現行法に新たに「個人の尊厳」や「真理と平和」といった基本理念を盛り込むことや,精神主義的な色彩の強い「郷土や国を愛する心」や「道徳心の培養」などの項目を現行法から削除することが提案された。

4.構造改革特区においては,規制緩和推進の流れを受け学習指導要領によらない多様なカリキュラムの編成や小中一貫教育などが認められたが,株式会社やNPO法人による学校設置案については公益とは相容れないとの反対論が根強かったため認められなかった。

5.公立学校においては,ゆとりある教育の実現に向けて2002年度から完全学校週5日制が実施された。これにあわせて,教育内容や授業時間数の大幅な削減や総合的な学習の時間の設置などを内容とするいわゆる新学習指導要領が,小・中学校では2002年度から,高校では2003年度から導入された。



※No.4~No.11については、著作権の都合により非掲載

No.12

ある喫茶店において,A~Eの5人が紅茶を注文した。紅茶の種類としてダージリンとアールグレイを選んだのは各2人ずつ,アッサムを選んだのは1人であった。また紅茶の飲み方としてストレートとアイスを選んだのは各2人ずつ,ミルクを選んだのは1人であった。ところが店員はメモをとらなかったために,出てきた紅茶は飲み方については各人の注文どおりであったものの,種類についてはA~Eのうちの3人の間で入れ替わったものが出てきてしまった。以下はこのときのA~Eの発言であるが,これから確実にいえるのはどれか。

 A.私には注文どおりの種類であるダージリンの紅茶が出された。
 B.私はCと同じ飲み方の紅茶を注文した。また,私に出された紅茶は私が注文した種類ではなくCが注文した種類でもなかった。
 C.私に出された紅茶の種類はDが注文したものと同じだが,私が注文した種類ではなかった。
 D.私には注文どおりの種類かつ飲み方であるアイスティーが出された。
 E.結局,私のミルクティーを含めて3人の紅茶の種類が注文したものと違っていた。

1. Aが注文した紅茶の飲み方はストレートであった。
2. Bが注文した紅茶の種類はアールグレイであった。
3. Cが注文した紅茶の飲み方はアイスであった。
4. Dが注文した紅茶の種類はアッサムであった。
5. Eが注文した紅茶の種類はアールグレイであった。


No.13

大学の同級生10人がヨーロッパに卒業旅行に行った。当初の予定では,はじめに全員でイギリスに3日間滞在し,4日目から図のようにA,B,Cの三つのグループに分かれてそれぞれ2か国ずつ滞在し,12日目にイタリアに全員が到着することになっていた。
 しかし,5日目が終了した時点で,BグループとCグループは,それぞれオランダにあと3日,フランスにあと4日滞在することとした。そのため,三つのグループは電話で話し合い,以下のア,イ,ウの条件のもとで,ホテルのキャンセル料の総和が最少になるように日程の変更をすることにしたところ,キャンセル料の総和は40,000円となったという。
 各国のホテルのキャンセル料(円/泊・人)は表に示すとおりであり,またどのグループも2人以上であるとするとき,各グループの人数について確実にいえるのはどれか。
 ただし,各グループとも当初計画されていた国に1泊以上はするものとし,移動にかかる時間は考慮しない。

 ア.旅行の全日数は変更することができない。

 イ.イタリアに全員が同じ日に到着する。

 ウ.すべての国の滞在にかかるコスト(円/日・人)は等しく,また,その国での泊数が変わらなければ宿泊日がずれてもホテルのキャンセル料はかからない。

1. Aは4人以上である。
2. Bは3人以下である。
3. Bの人数は奇数である。
4. Cは4人以上である。
5. Cの人数は偶数である。


NO.14

次の①,②,③は,AとBの二人で行う数当てゲームの手順を表したものである。
 
 ① Aは,1~4までの数字を一つずつ使った4桁の数(以下,Xとする)を頭の中に思い浮かべる。
 ② Bは,4桁の数(以下,yとする)を紙に書いて,Aに渡す。
 ③ Aは,Xとyを各桁ごとに比較して,Bから渡された紙に〔Xの方が大きい桁の個数,一致した桁の個数,Xの方が小さい桁の個数〕を書いて返す。(例えば,X=1234,y=4231である場合,〔1,2,1〕となる。)

 いま,まずBが1回目に1423と書いたところ,Aは〔1,2,1〕を返した。続けて,Bが2回目に2314と書いたところ,同じくAは〔1,2,1〕を返してきた。これからXの候補として二つの数が考えられるが,この二つの数の和はいくらか。

1. 3647
2. 3737
3. 4754
4. 5834
5. 7725



NO.15

2004年4月13日を《20040413》と表すこととすると,1~4の数字すべてが少なくとも1回は使われていることになる。このように1~4の数字すべてが少なくとも1回は使われている日は2004年の1月から12月までの1年間に何日あるか。

1. 33日
2. 36日
3. 39日
4. 42日
5. 45日



NO.16

ある地域サークルには100名のメンバーがおり,自分たちでサークルの代表と副代表1名ずつを選ぶことになったが,立候補者がA~Dの4名いたため,以下のルールに基づく選挙を行うこととした。 

 ・サークルの全員は,赤い用紙と白い用紙を1枚ずつ配られ,赤い用紙には代表に選びたい候補者名を,白い用紙には副代表に選びたい候補者名を記入して投票する。両方の用紙に同じ候補者名を記入してはいけない。
 ・開票に当たり,赤い用紙は2票分,白い用紙は1票分とみなす。得票数が最多の者を代表に当選とし,その次の票数の者を副代表に当選する。
 ・同じ票数の者が当落線上にいる場合は,それらの者について決戦投票によって当選者を決める。

 候補者のA氏とB氏がそれぞれ以下の情報を得たとき,自分の当落の可能性についての予測として最も妥当なものを組み合わせているのはどれか。

 ○ A氏が,自分の得票について,赤い用紙が70枚,白い用紙が5枚で計145票であることを知らされ,他の者の得粟は分からないとき。
 ○ B氏が,自分の得票について,計90累であることを知らされ,他の者の得票は分からないとき。ただし,自分についての赤い用紙と白い用紙の得票内訳は不明であるが,赤い用紙による票を自分より多く得た者がいることだけは判明.

A氏の予測 B氏の予測
1. 必ず代表に当選する。 代表,副代表への当落は分からない。
2.

必ず代表に当選する。 代表又は副代表のどちらかに当選する。
3.

代表又は副代表のどちらかに当選するが,
どちらであるかは分からない。
代表,副代表への当落は分からない。
4.

代表又は副代表のどちらかに当選するが,
どちらであるかは分からない。
代表又は副代表のどちらかに当選する
5.

代表又は副代表のどちらかに当選するが,
どちらであるかは分からない。
代表には落選であり,
副代表への当落は分からない。


NO.17

確率が関係する次の記述ア,イ,ウのうち、下線部の説明が妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

 ア.表に相異なる整数が書かわたカード6枚が裏向きに重ねられており,カード全体にどのような数字が使われているか分からないとする。ここから1枚ずつカードをめくって数字を見ていき,その数字が6枚のカード中で最大だと思ったら,そのカードを選び,もしカードが最後の1枚になってしまったら,そのカードを選んだことにする。このとき,カードの選び方を工夫すれば,最大の数字が書いてあるカードを引く確率を,ランダムにカードを選んだ確率1/6よりも大きくすることができる

 イ.K駅では1番線の快速と2番線の各駅停車の列車がそれぞれ10分間隔でダイヤどおり正確に運行されており,停車時間はどちらも30秒である。サラリーマンAは通勤のため,8時から9時までの間のランダムな時刻にK駅に着き,1番線の快速に乗ることにしているが,今までを思い出してみると自分が利用しない2番線の各駅停車のほうが先に到着することが多いように感じられた。しかし,快速と各駅停車は同じ間隔で運行されているため,時刻表がどのようなものであっても先に到着する確率に理論上は差がなく,自分が上述のように感じるのは心理的な要因によるものであるとAは結論付けた。

 ウ.工場Xにおいて製品に不良品が発生する確率は,これまでのデータから10万個に1個の割合であることが分かっている。あるとき,取引先Yが精度の高い検査機器を開発したが,この機器を利用すると製品が不良品であると判断された場合は赤ランプ,そうでないと判断された場合は青ランプが点灯するという。Yによれば不良品をこの機器で検査した場合,0. 99 の確率で赤ラップがつくが,不良品でない場合でも,1万分の1の確率で赤ランプがつくという。この機器を導入した工場Xでは,ある製品について赤ランプがついた場合,検査機器の精度の高さを考慮すると,実際に不良品である確率は不良品でない確率よりも高いので,その製品を廃棄することとした。

1. ア
2. ア,イ
3. ア,ウ
4. イ
5. イ,ウ



専門試験(法律職)

No.1

憲法における外国人の地位に関するア~オの記述のうち,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。
 ア.外国人に憲法上の保護が及ぶか否かにプいては,憲法第3章の標題が「国民の権利及び義務となっていること等から,否定的に見る立場もある一方で,人権の不可分性を根拠として,外国人も日本国民も等しく憲法の定める基本的人権を享受するとするのが判例である。

 イ.具体的な内容を検討すれば,例えば,外国人の出入国の問題は,国際慣習法上,各国が主権的権利に基づき,比較的自由な裁量によって決定できる問題であるものの,一定の場合には,外国人であっても憲法上の入国の自由を享受できるというのが判例の立場である。

 ウ.外国人の出国については,判例において「わが国に在留する外国人は,憲法上よ外国ヘー時旅行する自由を保障されているものでない」とされている。ただし,学説の中には,外国人の出国の自由が認められる根拠を国際慣習法に見いだし,特に再入国についてはご最小限度の規制は許されるものの,新規の入国と異なる配慮を加える必要があり,著しくかつ直接に我が国の利益を害することのない限り,再入国が許可されるべきであるとするものもある。

 工.亡命者が国籍国以外の外国(避難国)の憲法若しくはその国が締結している条約に基づき保護を享受する権利,いわゆる亡命権については,憲法で保障している国も存在するが,我が国の憲法に明文の規定はない。判例においても,国家間の犯罪人引凄しから政治犯罪人を除外する,いわゆる「政治犯罪人不引渡の原則」はいまだ確立した一般的な国際慣習法であるとは認められないとされているが,この立場については,批判的な見方もある。

 オ.外国人の政治活動について,我が国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き,その保障が及ぶとするのが判例である。

1. ア,イ,エ
2. ア,ウ,オ
3. ア,エ,オ
4. イ,ウ,エ
5. ウ,エ,オ