このページでは、公務員の仕事について、部署による違いを説明します。
※以下で取り上げる各部署の名称は、あくまでも一例にすぎず、各行政機関や各自治体によって、部署の名称は様々です。個別の行政機関や自治体での部署名については、それぞれの行政機関や自治体の公式HPでご確認ください。
目次(クリックで移動できます)
事業系部署と事務系部署
公務員の仕事は多岐に渡りますので、それぞれの部署には、それぞれの特徴があります。
たとえば、外へ出る機会が多いか少ないかで、大きく事業系部署と事務部署に分けることができます。
事業系の部署
外へ出る機会の多い部署が、事業系の部署ということになります。
事業系の部署には、商工、観光、農林水産、都市建設、上下水道、環境整備などの各部署があります。
上記の部署は、さらに、大きく2つに分かれます。
1つは、産業に関わる業務を行う部署です。
もう1つは、公共の設備の維持管理や環境の整備といったことを行う部署です。
産業に関わる業務を行う部署
商工会や観光協会と連携しての観光資源の発掘や開発、あるいは、農業振興や港湾整備といった業務を行います。
具体的には、以下の各部署があります。
- 商工
- 観光
- 農林水産
都市建設、上下水道、環境整備
こちらの各部署は、道路、橋梁、上下水道といった公共のインフラ設備の維持管理を行ったり、景観の保護や整備といった業務を行います。
以下の各部署があります。
- 都市建設
- 上下水道
- 環境整備
事務系の部署
外へ出る機会のあまりない部署が、事務系の部署です。
つまり、デスクワークが仕事の中心となる官房系の部署や、窓口業務が中心の部署が、事務系の部署ということになります。
以下、官房系部署と窓口系部署について、さらに細かく説明します。
官房系部署
- 総務
- 財務
- 政策企画
- 議会事務局
- 行政委員会
地方自治体では、以下の各種行政委員会を必ず置くことが地方自治法により定められています。- 教育委員会
- 選挙管理委員会
- 人事委員会または公平委員会
- 監査委員会
職員は、教育委員により構成される教育員会の事務局として、教育行政の運営に携わります。
国会議員を選出する選挙(衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙)や、自治体の首長を選ぶ選挙、自治体の議会議員選出選挙、農業委員会委員選挙などの各種選挙が滞りなく行われるよう、事務局として選挙事務の管理・運営を行います。
人事委員会は、日本の都道府県及び政令指定都市等に設置される行政委員会であり、公平委員会は、それ以外の地方自治体に設置される行政委員会です。ともに、職員の任免、懲戒等の人事権の行使を適正に行うために設けられた専門機関であり、職員は事務局として、委員会の運営事務を行います。
監査委員会は、地方公共団体の財務や事業について監査を行うために設置される機関であり、職員は事務局として、監査事務の運営に携わります。
総務の主な仕事は、職員の人事・定数管理や職員の給与・手当に関することなどで、職員を対象とした業務が中心となります。
財務を管轄する部署は、予算編成や各種交付金・負担金・補助金などの申請といった自治体の使うお金のやりくりに携わる部署です。
文字どおり、自治体の行う政策を立案したり、企画したりする部署で、扱う仕事の規模が大きい傾向にあり、いわゆる花形部署となります。
議会の運営や議員の活動に必要な調査を行う部署で、住民相手の仕事ではなく、議員が相手の仕事となります。
窓口系部署
窓口業務とは、住民へのサービスを対面により直接行う仕事です。
窓口業務が中心となる部署には、以下のようなものがあります。
- 保健福祉
- 税務
- 住民
- 会計
国民健康保険、国民年金、後期高齢者医療制度や各種検診の実施などの各種保険制度に関する仕事、母子家庭支援や生活保護の支給などの福祉制度に関わる仕事を行います。窓口では、各種制度の申請受付や相談業務などを行っています。
各種税金の賦課・徴収や税金に関わる証明書の発行などの業務を行います。また、窓口では、税金に関する各種の相談などを受け付けています。
住民票の異動に関することや、各種証明書の発行などの業務を行います。住民にとって一番身近な窓口業務を行っています。
税金の支払いの受付や収入印紙の販売などを行っています。
まとめ
- 自治体の部署は、大きく分けて事業系と事務系の2つに分かれる
- 事業系部署はさらに、産業に関わる部署と都市整備や環境整備に関わる部署に分かれる
- 事務系部署はさらに、デスクワーク(官房)系と窓口系の部署に分かれる
あなたの受験しようと思っている機関や自治体の組織がどのようになっているのか、受験前に一度、確認しておくことをおすすめします。