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人事院から毎年、公務員白書なるものが刊行されています。

その中で、公務員試験対策との関りが特に深い「任用状況等」の部分を見てみると、興味深い内容があったので、このことについて書いてみたいと思います。

国家公務員試験における国公立大学出身者と私立大学出身者の合格率の違い

公務員試験白書の中には、採用試験の実施状況について出身大学別にまとめている資料があります。

国家一般職の場合

上の表から国公立と私立の違いに注目してまとめると以下の表のようになります。

  • 平成29年度
申込者数合格者数
国公立大学・大学院15,0214,255
私立大学・大学院18,8932,798
  • 平成30年度
申込者数合格者数
国公立大学・大学院14,2114,687
私立大学・大学院18,1072,930

ここで、国公立と私立の申込者数数に対する合格率を比較してみると、次のようになります。

合格率(平成29年度)合格率(平成30年度)
国公立大学・大学院 28.33%32.98%
私立大学・大学院 14.81%16.18%
合格率の比(国公立/私立)1.912.04

※小数第3位を四捨五入

合格率の比率についてみてみると、国公立院出身者の合格率が私立出身者のおよそ2倍となっています。

申込者数はそれぞれ、国公立が14,000人~15,000人私立が18,000人ほどとなっていて、私立大学出身者は受験者数が多いにもかかわらず、合格者数が少ないという結果が読み取れます。

国家総合職の場合

先ほどの比較は一般職試験についてのものでした。

国家総合職試験の場合、国公立出身者と私立出身者の合格率の違いは国家一般職の場合よりもさらに大きくなります

一般職試験の時同様、注目する部分について上の表から抜き出します。

  • 平成29年度
申込者数合格者数
国公立大学・大学院11,5051,397
私立大学・大学院8,824475
  • 平成30年度
申込者数合格者数
国公立大学・大学院10,5701305
私立大学・大学院8,813486

国公立出身者と私立出身者の合格率を比較すると、以下の通りです。

合格率(平成29年度)合格率(平成30年度)
国公立大学・大学院 12.14%12.35%
私立大学・大学院 5.38%5.51%
合格率の比(国公立/私立)2.262.24

※小数第3位を四捨五入

なぜ、国公立大出身者と私立大出身者で合格率にこれだけの差が出るのか

ここまでで見てきたように、国家公務員試験において私立出身者の合格率は国公立出身者と比べて明らかに低いという結果が出ています。

なぜ、国公立と私立でこのような合格率の差が生じるのでしょうか。その要因について考えてみたいと思います。

国家公務員試験と大学入試との関連

唐突ですが、国家公務員試験では課される科目数が多いです。

おおむね、どの職種でも5科目以上は対策する必要があり、職種によっては8科目もの対策が必要となります。

必須科目数選択科目数
国家総合職
(大卒、政治・国際区分)
33または5
国家総合職
(大卒、法律区分)
32または3
国家総合職
(大卒、経済区分)
43
国家一般職
(行政区分)
08
財務専門官22
国税専門官24
労働基準監督A
(法文系)
25

※参考:国家公務員試験採用情報NAVI(人事院)

このように国家公務員試験では課される科目数が多いですが、このことが、大学入試における国公立と私立の違いに関わってくると考えられます。

ここで、大学受験の大手予備校である河合塾が大学入試について解説しているページの内容を以下にまとめてみます。

センター試験センター試験科目数個別学力検査科目数
国公立大学原則必須5教科7科目以上が約7割3教科が多い
私立大学必須ではない 3教科以下が多い 3教科が多い

※参考: Kei-Net(河合塾) – 大学入試の基礎知識

一般的に、国公立大学では入試において対策すべき科目数が私立大学と比べて多いということが言えそうです。

つまり、国公立の滑り止めで私立に入学した層を除いた私立大学生は、数多くの科目について入試レベルの長期的な対策をした経験がないということになります。

もちろん、私立大学生についても高校で期末レベルのテストを受けてきた経験はあるでしょうが、各学期末に行われる期末テスト高校3年間分の知識を一度にまとめて問われる大学入試とでは、対策にかかる労力やじかんといったコストが比べ物にならないことは言うまでもないでしょう。

数多くの科目が課されるセンター試験を通じて長期的な対策を行うことに慣れている国公立大学出身者は、多くの科目が課される国家公務員試験において私立大学出身者に対してアドバンテージを有しており、このことが合格率の違いとなって表れているのではないかと考えられます。

国家公務員を目指す私立大学生はどうすべきか

国公立大学出身者と比べて多くの科目について長期的に学習するというスタイルに不慣れな私立大学生は、国家公務員試験対策を始めるスタートの時点で、国公立の大学生から差をつけられてしまっていると言えます。

では、この差を埋めるためには何が必要なのでしょうか?

それを以下にまとめます。

  • “国公立の大学生と比べて不利な状況にある”という危機感を持つ
  • 早期に国家公務員試験の対策を始める
  • 予備校等効率よく学習できる環境を利用する

危機感を持って国家公務員試験対策に臨む

そもそも国家公務員試験は、最終合格率が高くても2割程度しかない難関試験となっています。

数多くの科目を学習することに不慣れな私立大学生は国公立大学生と比べて不利な状況にあるといえるため、国家公務員試験に対して相当に危機感を持って臨む必要があるといえます。

  • 国家公務員の最終合格率(令和元年度)
申込者数最終合格者数最終合格率
国家総合職
(大卒、政治・国際区分)
1,166867.38%
国家総合職
(大卒、法律区分)
8,9564495.01%
国家総合職
(大卒、経済区分)
1,7781689.45%
国家一般職
(行政区分)
25,0885,67522.62%
財務専門官2,96152617.76%
国税専門官14,2383,51424.68%
労働基準監督A
(法文系)
2,70337914.02%

※小数第3位を四捨五入

※参考:国家公務員試験採用情報NAVI(人事院)

早期に国家公務員試験対策を始める

すでに述べたように国家公務員試験では、多くの科目を学習する必要があります

そして、学習における基本的な事項の修得、すなわち基礎固めというのは、そのためどれだけの時間をかけたかに比例します。

時間をかけた分だけ基礎は確実なものとなっていくわけですから、理想的には大学2年生くらいから計画的に学習を進めていく必要があるといえます。

予備校等の学習環境を利用する

私立大学生の場合、比較的早期に国家公務員試験の対策を始めるべきではありますが、そうは言ってもそれほど時間がないという場合も多いでしょう。

そのような場合には、時間を効率的に使って学習する手段である公務員試験予備校を利用するのが一つの手です。

公務員試験予備校にはこれまでに培ってきたノウハウがあるため、独学で一から学習するよりもよほど効率よく公務員試験対策の学習を進めることができると期待できます。

予備校の利用を検討される場合には、当サイトでおすすめの公務員試験予備校についてまとめた記事がありますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。