このページでは、法律系科目の試験対策参考書について紹介します。
経済系科目のおすすめ試験対策参考書(公務員試験)
行政系科目のおすすめ試験対策参考書(公務員試験)
教養科目のおすすめ試験対策参考書(公務員試験)
目次(クリックで移動できます)
はじめに
公務員試験で課される専門試験の出題科目は、多岐にわたります。大学で文系の学部・学科に在籍していた場合、自分の専攻がそのまま出題科目として出る可能性が高いです。
たとえば、法学部なら憲法・民法・行政法、政治学部なら政治学・行政学、経済学部部なら経済学、経営学部なら経営学、社会学部なら社会学、心理学部なら心理学という具合です。残念ながら、文学部の場合、公務員試験の専門試験で対応する出題科目はありません。
このように、出題科目が多岐にわたる専門試験ですが、試験科目は大きく3つのグループに分類することができます。
まず、1つ目のグループが、法律系科目です。法律系科目には、憲法、民法、行政法、商法、労働法、刑法などがあります。
次に、2つ目のグループが、経済系科目です。経済系科目には、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学などがあります。
最後に、3つ目のグループが、行政学系科目です。行政系科目には、行政学、政治学、社会学、心理学などがあります。
このページでは、上記3つのグループのうち、はじめの法律系科目について、おすすめの参考書を紹介します。
憲法
憲法は、条文の数もそこまで多くないうえ、試験で問われる点は限られているため、法律の初学者にとっても、割合とっつきやすいイメージなのではないかと思います。
また、過去問を見ればわかりますが、憲法では、そこまで難しい問題というのは出ないため、しっかりと対策し、ぜひとも得点源にしたい科目です。
公務員試験 スピード解説 憲法
本書は、そのうたい文句通り、あまり時間をかけずに短期間で、公務員試験で必要とされるレベルの知識をつけることができます。
ただし、他の多くの試験同様、公務員試験においても、過去問の数をこなすことが必須です。
ですので、この本である程度の知識を身につけたら、その後は、過去問集を繰り返し解くという、ステップに進む必要があります。
過去問集を解く過程で、知識が不十分だと感じたら、本書の該当箇所を、再度確認しなおすといった使い方がよいでしょう。
寺本康之の憲法ザ・ベスト プラス
もう少し、じっくり時間をかけて公務員試験の「憲法」について勉強したいという場合には、現役の公務員予備校講師が書いているこちらの導入書が良いです。初学者にも分かりやすいように書かれているのでおすすめです。
過去問集
ここでおすすめするのは、「新スーパー過去問ゼミ4 憲法」です。
言わずと知れた、公務員試験過去問集の定番です。憲法の場合には特に、重要事項をまとめたレジュメ部分がよくできています。このレジュメを確認して、過去問を繰り返し解くといった使い方でも、人によっては、択一試験対策として、十分であるといえます。
憲法未学習者や憲法が苦手であるといったような場合には、先に挙げた「公務員試験 スピード解説 憲法」の併用をお勧めします。
民法
民法は、出題範囲が広く、学習すべき範囲が非常に広いです。たとえば、国家公務員一般職試験で民法は、「総則及び物権」と「債権、親族及び相続」の2科目分出題されます。
そして、公務員の地方上級試験における専門試験では、民法は必ず出題されます。
ですので、学習範囲が広いといえども、対策をおろそかにすることはできません。
寺本康之の民法ザ・ベストプラス
学習範囲の広い民法を初学者が効率よく学習するには、公務員試験における民法の出題範囲について、分かりやすく解説された参考書で、はじめに民法の全体像をつかんでおくことです。
そこで、うってつけなのが、「寺本康之の民法ザ・ベストプラス」シリーズです。本書は、Ⅰ(総則・物権編)とⅡ(債権編)に分かれており、それぞれが1科目分の出題範囲に相当します。
本書では、ともすれば小難しく感じられる民法について、平易で分かりやすい文章で解説されており、初学者の導入書としておすすめです。
民法の出題範囲が広いため2分冊となっており、全体のボリュームは多いですが、本書をしっかりとこなした後に過去問演習をしていくことで、民法を得点源としていくこともできるでしょう。
過去問集
憲法同様、民法でも「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4」をおすすめします。理由は、やはり民法同様、他の過去問集と比較して、重要事項をまとめたレジュメ部分が優れているからです。
このレジュメで、「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継」では網羅しきれていなかった論点について、不足した知識を補うことができます。
過去問集である「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4」についても、「民法1一総則・物権・担保物権」と「民法2一債権総論・各論・家族法」の2冊が刊行されており、民法の出題範囲の広さがうかがい知れると思います。
本書の過去問を繰り返し解くことで、確実に民法に対する力が養われていきます。
行政法
行政法は、民法などと違い、「行政法」という名の統一法典があるわけではありません。行政組織法や行政作用法、行政救済法に行政手続法、これらを構成する各法律を総称して、「行政法」と呼ばれているのです。
このように、「行政法」という法体系がはっきりと組織化されている訳ではないので、初学者(特に法律全般の)にとっては、とっつきにくい科目となっています。
寺本康之の行政法ザ・ベスト プラス
現役の公務員予備校講師によって書かれているため、必要事項が大変分かりやすくまとまっています。「行政法」の導入書としては、この1冊をこなしておけば十分であると思います。
過去問集
過去問の数をこなしたいという場合には、「過去問新クイックマスター」をおすすめします。
「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4」の行政法版については、レジュメや解説の優れていた憲法や民法と違って、レジュメが優れておらず、何より解説が、解説の体をなしていないことが多いなど、悪い点が目立ちます。
その点、「公務員試験 過去問新クイックマスター 行政法 <第5版>」はスー過去と比較した場合、そこまで悪い点があるわけではないので、あえて、こちらをおすすめしています。
その他参考書
最後に、ここまでに挙げた参考書のほかに、役に立つ参考書として、下記の本を紹介します。
公務員試験 ココで差がつく! 必修判例 (旧:試験に出る判例 これ1冊)
公務員試験の中で特に憲法や行政法では、判例が重要です。判例に沿って、判決が合憲とされたのか違憲とされたのかが、問われる場合が多いからです。そのためには、試験で問われる判例をしっかりと把握しておくことが必要です。
本書は、そうした公務員試験で問われる重要判例が集められており、判例ごとに要点をわかりやすく整理してあるので、過去問集と併用するのがおすすめです。
もちろん専門の択一試験対策にも有用ですが、専門記述試験の対策として、あらかじめ問題を想定し、それに対する回答を自分なりに作成しようとする場合には、特に有用です。
以上、このページでは、専門試験科目の中の法律系科目の試験対策参考書を紹介しました。