このページでは、消防士(消防官)についての基本的な事柄について紹介します。


消防職員の試験対策については、「消防士(消防官)の筆記試験対策におすすめの参考書など(大卒程度・高卒程度)」をご覧ください。

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消防士(消防官)とは?

突然ですが、「消防官」という言葉は、実は正式なものではありません。「警察官」や「自衛官」といった言葉があることから、便宜的に「消防官」という言葉が用いられることもありますが、これは法律上の正式な呼び名ではないのです。


また、消防に携わる職業の人のことをすべて「消防士」というのだと思われがちですが、これも誤りです。


消防に携わる職業の者を指し示す法律上の正式な呼び名は、「消防職員」であるとされています。


また、消防職員の中でも特に、消火・予防・救急・救助に当たる者をのことを「消防吏員(しょうぼうりいん)」といい(※事務職・技術職の消防職員は「消防吏員」ではありません。)、「消防吏員」の中で最も低い階級のことを「消防士」というのです。


つまり、一般的に「消防士」としてイメージされているものは、実は「消防士」ではなく、正しくは「消防吏員」であるということになります。


消防職員を目指している人ならば、「消防官」、「消防職員」、「消防吏員」、「消防士」の違いについて、正確に把握しておく必要があるでしょう。

消防吏員の階級一覧

ここで、参考までに「消防吏員」の階級の一覧を紹介します。


区分 階級 役職
上級幹部 消防総監 東京消防庁の消防長
上級幹部 消防司監 政令指定都市の消防長・東京消防庁の次長
上級幹部 消防正監

  • 消防吏員の数が200人以上又は人口30万人以上の市町村の消防長
  • 東京消防庁本庁の部長、消防方面本部長
  • 上級幹部 消防監

  • 消防吏員の数が100人以上又は人口10万人以上の市町村の消防長
  • 東京消防庁の参事・消防方面本部副本部長・消防署長
  • 消防署長
  • 中級幹部 消防司令長

  • 人口10万人未満の市町村の消防長
  • 東京消防庁の副参事・分署長・副署長・課長
  • 副署長・課長・大隊長
  • 中級幹部 消防司令 出張所長・課長補佐・中隊長
    中級幹部 消防司令補 係長・小隊長
    初級幹部 消防士長 主任・分隊長
    幹部候補 消防副士長 副主任・隊員
    幹部候補 消防士 係員・隊員

    (Wikipedia:消防吏員より)

    消防職員の身分

    消防吏員を含む消防職員の身分は、国家公務員ではなく、地方公務員(市町村職員)となっています。


    その根拠となる、消防組織法の条文をいくつか抜粋します。

    市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有する。

    消防組織法 第六条

    市町村の消防は、条例に従い、市町村長がこれを管理する。

    消防組織法 第七条

    市町村は、その消防事務を処理するため、次に掲げる機関の全部又は一部を設けなければならない。
    一  消防本部
    二  消防署
    三  消防団

    消防組織法 第九条

    消防本部及び消防署に消防職員を置く。

    消防組織法 第十一条

    消防長は、市町村長が任命し、消防長以外の消防職員は、市町村長の承認を得て消防長が任命する。

    消防組織法 第十五条

    市町村の消防は、消防庁長官又は都道府県知事の運営管理又は行政管理に服することはない。

    消防組織法 第三十六条



    ここで挙げた条文に定められている内容をまとめると、「市町村は消防の役割を十分に果たすために(第六条)、消防本部などに消防職員を置く(第七・九・十一・十五条)それらの管理運営について、国(消防庁長官)や都道府県知事の管理下にあるのではない(第三十六条)」ということになります。


    このことから消防職員の身分は、国家公務員ではなく、地方公務員(市町村職員)であるということが言えます。

    消防の任務

    消防吏員が行う任務には、大きく分けて「警防」、「救急」、「救助」、「予防」の4つがあります。


    それぞれの任務の内容は次のとおりです。

    • 警防
      • 火災の発生を覚知した時に、消火隊(ポンプ隊)を編成して消防車に搭乗して現場へ急行する防禦(ぼうぎょ)・消火活動
      • 火災や救急・救助の通報を受信し、各隊へ出動指令を出す通信指令業務
    • 救急
      • 生命・身体に危機が差し迫った傷病者を病院まで搬送する業務(その間に緊急やむを得ないものとして、応急の手当を行うことを含む)
    • 救助
      • 災害や事故により危険の迫った者を救出する業務
    • 予防
      • 火災が発生しないように建物管理者へ指導を行う業務
      • 多数のの人が集まる事業所などで、初期消火等や避難の方法を指導する業務

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    職員採用試験

    すでに説明したように、消防職員は市町村職員です。そして多くの場合、警察官のような公安職ではなく、一般職の職員として採用されます。


    しかしながら、東京都の特別区を管轄する消防本部については、東京都の内部機関である東京消防庁となっています(※東京都に消防業務を委託している都内市町村の区域も管轄しています)。


    そのため、東京消防庁の職員については、東京都の職員であるということになります。


    また、職員採用試験についても、東京消防庁のみ独自の問題を使用しており、その他の市町村では、共通の問題となっています(※試験の実施時期によって、問題は異なります)。


    そこで、ここでは、東京消防庁とその他の消防職員に分けて、職員採用試験について簡単に説明します。

    東京消防庁の職員採用試験

    東京消防庁の職員採用試験は、消防官の場合、以下の種類があります。

    • 専門系(大卒程度)
    • I類(大卒程度))
    • II類(短大卒程度)
    • III類(高卒程度)



    I類・II類・III類それぞれの試験内容は次の表のとおりです。

    試験種別 I類 II類 III類
    第1次試験 教養試験
    論文試験 作文試験
    適性検査
    第2次試験 身体検査・体力検査
    口述試験

    教養試験

    東京消防庁は、約1万8千人の職員を抱える非常に規模の大きな組織です(参考:東京消防庁)。


    そのため、採用試験については独自の問題が使用されています。


    試験で使用された問題冊子については、持ち帰ることが可能なため、大手予備校のTACから過去問集(※I類のみ)も出されています。
    本試験過去問題集 東京消防庁1類 2018年度採用


    東京消防庁I類を志望しているなら、上記の過去問集にはぜひ取り組んでおくべきです。

    その他の消防職員採用試験

    消防職員は市町村職員ですから、各市町村が行う職員採用試験を受けることになります(参考:消防本部一覧)。


    基本的に、消防職員(消防吏員)の採用試験で課されるのは、「教養試験」、「適性検査」、「論文試験」、「体力検査」、「面接試験」となっています。


    なお、多くの市町村では、教養試験に「公益財団法人 日本人事試験研究センター」が作成する試験問題を用いています(※全国市町村1,718団体(平成28年3月末現在)のうち、1,608団体(93.6%))。


    そのため、東京消防庁以外の消防職員を志望するのであれば、教養試験対策としては、「新スーパー過去問ゼミ」に取り組むか、または市役所の過去問演習などを行う必要があります。


    消防職員の試験対策については、「消防士(消防官)の筆記試験対策におすすめの参考書など(大卒程度・高卒程度)」をご覧ください。