偏差値で見る公務員試験のボーダー

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公務員試験のボーダーを客観的かつ直感的に示すべく、ここでは公務員試験の試験別偏差値を示してみたいと思います。

「標準点」と「偏差値」

国家公務員試験では、合格者の決定方法として「標準点」が用いられています(参考:平成28年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験) 合格者の決定方法)。


この「標準点」は、ある決まった式により算出されますが、その式は「偏差値」を求める式と、非常によく似た形をしています。


「標準点」と「偏差値」の関係について、詳しくは国家公務員試験における「標準点」と「偏差値」の関係をご覧ください。

国家公務員試験のボーダーを偏差値で表す

主な国家公務員試験では、試験実施後に、第1次試験合格点と最終合格点が公表されています(参考:平成28年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験) 合格点及び平均点等一覧)。

偏差値の算出方法

ここでは、以下の手順で「偏差値」を求めることとします。

  1. 公表されている「第1次試験合格最低点」、「平均点」、「標準偏差」を基に、標準点の合計が、第1次試験合格点と一致する全ての「素点(基礎能力、専門)の組み合わせ」と、その際の「偏差値」を過去3年分算出する
  2. 手順1.で得られた「偏差値」について、試験ごとの平均値を求める



例:国家一般職(関東甲信越)の場合、標準点を算出して足し合わせた際に、合格最低点と一致する全ての素点の組み合わせの偏差値の平均値は、下表の通りなので、国家一般職(関東甲信越)の過去3年の平均偏差値は、55.3((52.6 + 44.1 + 66.8 + 57.2 + 60.5 + 50.6) / 6)と求まります。

年度 組み合わせ数 基礎能力偏差値(平均値) 専門偏差値(平均値)
H28 3 52.6 57.2
H27 2 44.1 60.5
H26 2 66.8 50.6



国家公務員試験の偏差値

上記の手順により各国家公務員試験の偏差値を算出してみたところ、下表のような結果となりました。

偏差値順位 試験種別 平均偏差値
1 国家総合職(政治・国際) 62.6
2 国家総合職(法律) 60.8
3 国家一般職(九州) 57.5
4 国家一般職(近畿) 56.5
5 国家総合職(人間科学) 55.7
6 国家一般職(関東甲信越) 55.3
7 国家一般職(沖縄) 54.8
8 国家一般職(中国) 54.6
9 国家総合職(経済) 54.5
10 国家一般職(四国) 52.8
11 国家一般職(東海北陸) 52.5
12 労働基準監督官A 52.3
13 国家一般職(東北) 52.1
14 財務専門官 51.7
15 国税専門官国 49.9
16 国家一般職(北海道) 48.0


結果は、おおむね皆さんのイメージと一致しているのではないかと思います。


全般的にはやはり「国家総合職」のボーダー偏差値が、他の国家公務員試験よりも高いことが分かります。


また、「国家一般職」の中では「近畿」地区と「九州」地区のボーダー偏差値の高さが目立ちます。

国家公務員試験のボーダー確認・予想ページ

ボーダーの確認を手軽に行えるAndroid用アプリ

「標準点」や「偏差値」を確認することができるAndroid用アプリ





各国家公務員試験の「偏差値」について、より詳しい結果を以下に紹介します。

国家総合職(大卒)の偏差値

国家総合職の中で「国際・政治」、「法律」、「経済」、「人間科学」の各区分について、第1次試験合格点の平均偏差値等を過去3年分示します。


より詳細なデータについては、下記PDFをご覧ください。

「国家総合職のボーダー偏差値」

国際・政治

下表の数値は全て平均値となっています。

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 26.0(103.5) 22.5(118.5) 68.7 56.3
H27 24.8(85.2) 26.2(138.8) 59.5 63.1
H26 25.6(110.4) 20.6(116.6) 72.1 55.8

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

法律

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 25.0(99.0) 22.0(114.0) 66.4 54.9
H27 28.5(100.5) 25.0(115.5) 67.2 55.3
H26 22.3(94.9) 25.9(120.1) 64.4 56.9

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

経済

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 19.7(75.3) 20.0(114.7) 54.6 55.1
H27 23.3(79.3) 19.7(109.7) 56.5 53.4
H26 14.8(60.3) 25.2(130.7) 47.1 60.4

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

人間科学

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 23.5(92.5) 21.5(105.5) 63.1 52.1
H27 23.0(77.5) 21.5(110.5) 55.8 53.7
H26 19.5(82.0) 18.0(104.0) 58.0 51.5

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て



国家専門職の偏差値

国家専門職の中で、「財務専門官」、「労働基準監督官A」、「国税専門官」について、第1次試験合格点の平均偏差値等を過去3年分示します。

財務専門官

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 23.8(130.3) 25.3(176.8) 55.9 52.1
H27 21.0(89.5) 26.5(190.5) 43.7 54.9
H26 18.6(79.3) 32.4(230.7) 40.6 62.9

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

より詳細なデータについては、下記PDFをご覧ください。

「財務専門官のボーダー偏差値」


労働基準監督官A

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 17.0(126.0) 23.0(240.0) 46.2 54.1
H27 23.7(157.0) 22.7(222.0) 53.4 51.2
H26 24.4(172.4) 23.6(226.6) 57.0 52.0

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

より詳細なデータについては、下記PDFをご覧ください。

「労働基準監督官Aのボーダー偏差値」


国税専門官

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 23.7(143.3) 17.7(142.7) 59.8 45.3
H27 26.0(104.0) 16.5(138.0) 48.0 44.4
H26 23.0(122.2) 19.0(157.8) 53.5 48.3

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

より詳細なデータについては、下記PDFをご覧ください。

「国税専門官のボーダー偏差値」


国家一般職の偏差値

「地区」ごとに、国家一般職の第1次試験合格点の平均偏差値等を過去3年分示します。


より詳しいデータについては、下記PDFをご覧ください。

「国家一般職のボーダー偏差値」

北海道

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 12.0(60.0) 19.0(218.0) 34.7 49.5
H27 19.0(98.0) 21.5(225.0) 46.2 50.6
H26 23.0(132.7) 21.0(225.3) 56.6 50.6

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

東北

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 18.5(106.0) 20.0(229.0) 48.7 51.2
H27 23.5(129.0) 20.0(211.0) 55.5 48.4
H26 23.8(138.3) 21.3(227.8) 58.3 50.9

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

関東甲信越

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 20.3(119.3) 23.7(269.7) 52.6 57.2
H27 18.0(91.0) 28.5(291.0) 44.1 60.5
H26 27.5(166.5) 21.0(225.5) 66.8 50.6

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

東海北陸

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 17.5(99.0) 23.0(262.0) 46.5 56.1
H27 21.8(117.0) 23.8(247.0) 51.9 53.8
H26 22.0(125.0) 22.3(238.0) 54.3 52.4

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

近畿

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 23.5(142.0) 22.0(251.0) 59.4 54.5
H27 18.0(91.0) 30.5(310.0) 44.1 63.3
H26 25.8(153.3) 24.3(255.8) 62.8 55.1

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

中国

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 20.3(119.3) 20.7(236.7) 52.6 52.2
H27 26.2(147.4) 22.6(235.6) 61.1 52.1
H26 24.3(142.7) 20.7(222.3) 59.6 50.1

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

四国

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 21.0(124.0) 20.0(229.0) 54.0 51.1
H27 23.8(131.0) 23.8(247.0) 56.1 53.8
H26 17.0(87.5) 27.0(281.5) 43.1 59.0

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

九州

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 23.5(142.0) 19.0(218.0) 59.4 49.5
H27 27.2(154.4) 22.6(235.6) 63.2 52.1
H26 29.2(179.4) 20.8(223.6) 70.6 50.3

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て

沖縄

年度 基礎能力素点(標準点) 専門素点(標準点) 基礎能力偏差値 専門偏差値
H28 23.5(142.0) 18.0(207.0) 59.4 47.8
H27 28.3(162.0) 19.3(205.0) 65.5 47.5
H26 23.5(136.5) 21.0(225.5) 57.8 50.6

※偏差値については小数第2位を四捨五入、標準点については小数第1位を切り捨て