ここでは、裁判所の職員採用試験対策に特化した参考書等を紹介します。「裁判所事務官」や「家庭裁判所調査官補」の志望度が高い受験生は、ぜひ参考にしてみてください。


なお、このページでは、「専門科目」の参考書や「過去問集」、「面接対策」の参考書のみ扱っています。「教養科目」のおすすめ参考書については、教養科目のおすすめ試験対策参考書(公務員試験)をご覧ください。

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専門科目用参考書

まず、「裁判所事務官」と「家庭裁判所調査官補」の採用試験で課される専門試験対策の参考書を、それぞれ紹介します。

事務官

「裁判所事務官」の試験では、「憲法」、「民法」、「刑法」、「経済学」が専門試験で課される科目です(一部選択式です)。


憲法

憲法初学者は、下記の本を導入書として、次に紹介する基本書へ進むのが良いでしょう。法学部出身者など、憲法についていくらか素地があるなら、この本は飛ばしても問題ありません。




「芦部 信喜」の『憲法 第六版』は、定番中の定番である基本書です。択一試験については、こちらの基本書と、過去問演習とで対応可能です。『憲法 第六版』については、記述試験対策にも使えるので、ぜひ、手元に置いておきましょう。




記述試験対策としては、下記のものをおすすめします。
もちろん、これ1冊ですべて対応できるわけではないので、足りないと思った論点については、基本書をもとに、自分で解答例を作り上げる必要があります。




総合職を狙うのであれば、下記の演習本も使って記述試験対策をする必要があります。




公務員試験対策という観点では、下記の判例集が必須となります。



民法

本当の民法初学者が初めに学ぶには、下記の参考書がお勧めです。こちらも、民法初学者以外は、飛ばしても問題ありません。




民法の基本書としては、「川井 健」の「民法入門」が定番です。択一試験の学習では、この本を基本に据えて、過去問演習を行うのが良いでしょう。




なお、「総合職を目指す場合は、下記シリーズも使って記述試験対策をする必要があります。




憲法同様、公務員試験対策としては、下記の判例集が必須です。



【LEC】裁判所事務官一般職択一記述公開模試


刑法

択一試験対策としては、基本書とされる下記の入門書と過去問集が役立ちます。




総合職の記述試験対策としては、下記のシリーズで学習する必要があるでしょう。




憲法、民法同様、下記の判例集が必須です。



経済学

裁判所職員の採用試験で課される「経済学」は、総合職においても一般職同様、「刑法」との選択式であり、他の国家総合職系の試験ほど難しいものではありません。


ですので、使用する参考書は、基本レベルのもののみで十分です。ここでは、下記の2冊をおすすめします。これと過去問演習のセットで、裁判所職員採用試験で必要とされる力は十分養うことが可能でしょう。



論文対策

裁判所職員の論文試験では、「日本の社会問題について、その課題や対応策」を論じさせるような問題が多いです。


こうした問題に適切に解答するためには、日頃から社会の出来事に関心を持ち、そうした出来事について自分なりに考えているかどうか、が重要です。


また、内容はもちろん大事ですが、文章としての体裁が整っているかや、時間内に書ききれるかどうかも、また重要です。テーマを決めて、時間を計りながら、文章を書く演習が必要となります。


ただし、裁判所の場合、「司法」に属するため、行政的な考え方は嫌われる傾向にあるようですので、損点は注意が必要です。


裁判所職員採用試験の論文対策としては、以下の本をおすすめします。

政策論文対策

総合職の場合、単なる「論文」試験ではなく、「”政策”論文」試験が課されます。「論文」と「政策論文」とでは、当然、求められている内容が異なりますので、特別な対策を行う必要があります。


「政策論文」では、具体的に、「組織運営上の課題を理解し、解決策を企画立案する能力」が試されています。
こうした政策を論じるうえで欠かせない知識・考え方についてまとめられた本として、以下のものをおすすめします。



家庭裁判所調査官補

ここで上げる参考書は、記述試験の課される「心理学」の参考書となります。
家裁調査官(補)を目指す方は、多くの場合、大学や大学院で(臨床)心理学を専攻しているでしょうし、ここで改めて挙げるまでもないかもしれません。


しかし、「家庭裁判所調査官補」の試験では、「臨床心理学」だけでなく、「社会心理学」、「教育心理学」、「心理学概論」の各領域から試験問題が出題されます。
そのため、各領域の参考書を下記に挙げておきます。


※ちなみに管理人は学部で臨床心理学をかじった社会心理学修士です。

臨床心理学

試験で問われるのは、基本的な事項です。その意味で、臨床心理士指定大学院入試対策用の参考書がそのまま利用できます。


下記に挙げる参考書は、「臨床心理学」のほか、「心理学概論」や「社会心理学」、「教育心理学」について、それぞれページが割かれているので、うってつけの参考書であると言えます。




なお、上記の本だけでは不十分だと感じるなら、以下の本もあわせて活用するとより良いでしょう。



発達心理学

発達心理学では、必要な事項が1冊でコンパクトにまとめられている下記のテキストをおすすめします。




上記の本で足りないと思ったなら、下記のシリーズをおすすめします。



社会心理学

社会心理学については、下記の2冊に目を通しておけば十分でしょう。どちらの本も、必要な事項は網羅されているので、仮に下記の2冊にない論点が出たとしても、ほとんどの人が解答できないはずです。



【LEC】家庭裁判所調査官補択一記述公開模試


教育心理学

教育心理学とはいっても、試験で問われるのは、「認知の発達」、「記憶」、「条件付け」「動機付け」、「学習」といったところではないでしょうか。
これらの事項は、心理学の概論書でも間違いなく触れられているので、各論書でまで扱う必要はないかもしれません。


教育心理学の参考書としては、以下の2冊を挙げておきます。



心理学概論

古典的な理論を見渡すには、各論書よりも概論書のほうが役に立つと思われます。概論書としては、下記の2冊をおすすめします。


なお、どちらか1冊ということなら、よりコンパクトにまとまっている東京大学出版会の「心理学 第5版」の方が良いでしょう。
有斐閣の「心理学」の場合、確かに必要な事項は網羅されていますが、概論書としては、ややオーバーワークな気がします(もちろん、両方使ったほうが、より確実です)。



政策論文対策

「裁判所事務官」同様、以下の本をおすすめします。



過去問集

事務官

裁判所職員採用試験の過去問集は、公務員試験予備校のLECとTACからそれぞれ出ています。LECでは過去5年分の試験問題が収録されており、TACでは過去3年分の試験問題が収録されています。


LECから出ている過去問集は、平成19年~平成23年の問題を収録したものとなっており、TACからは、毎年、最新の過去3年分の問題を収録した過去問集が出ています。


そのため、両予備校から出ている過去問集を活用することで、過去8年分の試験問題について、解説や解答例を手に入れることができます。


どちらの過去集でも、傾向と対策について冒頭でページが割かれていますが、この点については、最新の過去問を扱っているTACの過去問集のほうが役に立つでしょう。



【LEC】裁判所事務官一般職択一記述公開模試


家庭裁判所調査官補

教養択一や専門択一については、事務官のところで挙げたLECとTACの過去問集が役立ちます。


「家庭裁判所調査官補」の試験に特有の「心理学」の過去問については、直近3か年分ならば、公務員試験予備校クレアールのサイト無料公開されている解説と解答例が非常に役立ちます。


クレアールで心理学の講義を担当しているのは、あの「試験に出る心理学シリーズ」の著者である『高橋美保』講師なので、下手な過去問集よりは、よっぽど役に立ちます。


なお、それよりも前に出題された問題を知りたいならば、下記の過去問集が参考になります。ただし、解説や解答例については、あまり役に立たないと思っておいたほうが良いでしょう。


下記過去問集については、あくまでも、過去問を把握するため、という割り切りが必要です。



【LEC】家庭裁判所調査官補択一記述公開模試


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面接対策

ここでは、面接対策として、読んでおくと役立ちそうな本を紹介します。

事務官

法学書院編集部から出版されている『裁判所事務官・裁判所書記官の仕事がわかる本』は、具体的な業務内容を知るためにも、面接対策には必読の本であると言えます。
以下に、おすすめのポイントを挙げておきます。

  • 現役の事務官や書記官へのインタビューから、仕事の内容について具体記に知ることができる
  • 裁判所の求める人材像について知ることができる
  • 合格者の体験記が載っているため、独学者にとっては特に有益な情報が多い





家庭裁判所調査官補

「裁判所事務官」のところで紹介した本と同じシリーズの本である『家裁調査官の仕事がわかる本』がおすすめです。
以下に、おすすめのポイントを挙げておきます。

  • 現役の事務官や書記官へのインタビューから、仕事の内容について概略的に知ることができる
  • 裁判所の求める人材像について知ることができる
  • 合格者の体験記が載っているため、独学者にとっては特に有益な情報が多い



仕事で扱う事例などについて参考になる本

上で紹介した本では、実際の仕事で扱う具体的な事例については、書かれていません。そうした、個々の具体的な事例について知りたいという場合には、執筆当時現役だった調査官や元調査官によって書かれた下記の各本が参考になります。


これらの本では、「家庭裁判所調査官」という仕事に対する心構えのようなことについても、先輩調査官の経験を基に学ぶことができます。